GODIVAの新聞広告「日本は、義理チョコをやめよう」を見て

2018年2月1日木曜日

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今日は仕事中、体のあちこちに不純物が蓄積しているような疲れを感じた。寒さに体がまいっていることや、最近、ちょっと食べ過ぎなのも原因だろう。

気分転換に、仕事あがりに少しだけカフェに寄った。深呼吸していると、頭がクリアになってきた。

窓の外を見ると、空は雪模様に変わってきているようだ。

「義理チョコ、無理しないで」と伝えてほしい

社会人になってから、朝の通勤電車の中で日経新聞を読むのが習慣化している。ただ、今朝は疲れのため、字面を目で追っているだけで、内容は頭に入ってこなかった。

そんな中、国際面をめくった次のページに、”おカタイ”日経新聞らしからぬピンク色の紙面があったので、思わず目が止まった。

高級チョコレートメーカーのGODIVAの一面広告だ。

そこには、「日本は、義理チョコをやめよう」とあって、ちょっと驚いた。

以下が、その内容である。


「バレンタインデーは嫌いだ、という女性がいます。
その日が休日だと、内心ホッとするという女性がいます。
なぜなら、義理チョコを誰にあげるかを考えたり、準備をしたりするのがあまりにもタイヘンだから、というのです。気を使う、お金も使う、でも自分からはやめづらい、それが毎年もどかしい、というのです。

「それはこの国の女性たちをずっと見てきた私たちゴディバも、肌で感じてきたこと。
もちろん本命はあっていいけど、義理チョコはなくてもいい。
いや、この時代、ないほうがいい。そう思うに至ったのです。」

「それそもバレンタインは、純粋に気持ちを伝える日。
社内の人間関係を調整する日ではない。だから男性のみなさんから、
とりわけそれぞれの会社のトップから、彼女たちにまずひと言、
言ってあげてください。「義理チョコ、ムリしないで」と、

気持ちを伝える歓びを、もっと多くの人に楽しんでほしいから。
そしてバレンタインデーを、もっと好きになってほしいから。
愛してる。好きです。本当にありがとう。そんな儀礼ではない、
心からの感情だけを、これからも大切にしたい私たちです」

理念を突き詰めることの潔さ

チョコで売上を上げてナンボのチョコレートメーカーが、「買いたくなかったら、買わないでください」と言っているので、正直、驚いた。

インターネットを見ると、すでに各所で話題になっているようで、

・よくぞ言ってくれた(私たちの気持ちを代弁してくれた)。

・普段お世話になっている人に感謝を伝えられる義理チョコは、大切な文化だ。

・本命チョコの代名詞のような会社が、こんなことを言っても信用ならん。

といった、賛否両論のさまざまな意見が出ている。


個人的にはバレンタインには縁のない人間である。(義理チョコ文化のない組織にばかりいたので、義理チョコをもらった経験がほとんどない)

なので、バレンタインデーに関して特別な思いはないが、この広告を見て、「なんか、いいなあ」と思ってしまった。

それは、この広告に「理念を突き詰めることの潔さ」を感じたからだと思う。


この広告には、「普通とは逆のことを言って、話題づくりをして、企業のイメージを高めよう」という冷静なブランド戦略が働いていることは間違いない。

ただ、「チョコを通じて、本当に消費者の幸せに貢献したい」という発想が、少なくとも一部になければ、絶対に思いつかないような広告だとも思う。

この広告を見ていて、この広告を実際に公に出すまでの難しい社内調整のドラマがなんとなく想像されて、そこに関わっている人の「消費者の幸せに貢献したい」という気持ちに、少し触れたような気持ちになった。

それで、少し、心が熱くなった。

嫌われるほどでないと、差別化できない

「無理に商品を買わせようとしない」ということでは、米国のアウトドアメーカー「パタゴニア」の話を思い出した。

パタゴニアの理念に関して、前に下記のような記事を読んだことがある。

嫌われる経営理念とビジョン
https://wise-edge.co.jp/episode107/

これによると、パタゴニアの創業者は、「「もし世の中の50%の人に嫌われていないのだったら、差別化の取り組みが甘いのだ」」という発言をしているらしい。
(僕自身は、まだ元ネタの本を読めていないのだが)

理念を突き詰めたり、自分の気持ちや思いに正直になろうとすると、万人受けにはならない。それでも一歩踏み込んでみる。

この広告について書きながら、少し自分が元気になるのを感じている。

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