「瀬戸内Dayout」
仕事関係で、6月2日、香川県三豊市のイベント「瀬戸内Dayout」に参加した。これは、三豊市の仁尾という町から船で5分の距離にある無人島「蔦島(つたじま)」で開催された、アウトドアの祭典だ。
シーカヤックやSUPといったマリンスポーツから、トレイルラン、ツリークライミング、小物作りのワークショップなどを楽しめる。
1年に1度、6月初旬の土日に開催されている。
ここで、シーカヤックに乗る体験させてもらったので、その話を書きたい。
人生初のシーカヤック体験
サザンオールスターズの『波乗りジョニー』は好きだけど、これまでサーフィンもSUPもやったことはなかった。身近に海がなかったからだ。ただ、香川に引っ越して、海を日常的に見るようになってからというもの、「絶対シーカヤックをやるぞ」と思い続けていたので、念願がかなった形だった。
今回は初心者向け体験コースだったので、45分程度だった。ただ、波に揺られながら、感じるものは多くあった。
大きな海と、小さな自分
この日は曇りで、島には涼しい風が吹いていた。海の水は、それほど冷たくはなかった。最初にパドルの使い方に関する講習を受けてから、インストラクターに補助してもらいカヤックに乗り込んだ。
プラスチック製のボートの中で、両足を伸ばして座ったが、予想よりもカヤックは小さく感じられた。
大きな海と、小さな自分。
普段は、建物だったり、畑だったり、さまざまなものに囲まれて生活している。
しかし、海は、ただひたすら水だけが広がっている。
広大な海に浮いてみて、「自分ってこんなにちっぽけな存在だったんだな」。そんな実感が湧き上がってきた。
(内湾なので、海としては小さい方だけど、それでも地上にいる時との感覚の差は大きい)
底なしの水の上で揺れる
インストラクターに押してもらって、岸辺を離れた。パドルで波を漕ぐと、思ったよりも「ぐんっ」と進んだ。
これは、車に乗ってアクセルを踏み込んだ時と似ているかもしれない。
自分ではない力によって、急に押し出されるような感覚。
(もちろん、パドルは自力で動かしているのだけど、海の上での力の伝わり方は地上とはまったく違うので、なんだか「自分ではない力」が働いているような気がしたのだ)
※
少し進むと、すぐに海の底は見えなくなった。
カヤックに乗っていると、予想以上に揺れた。
このちっぽけなプラスチックのボートの下は、どこまでも真っ暗な水が続いていて、ひっくり返れば、底まで引き込まれてしまうかもしれない。
ライフジャケットを着てても、そんな原初的な恐怖感は起こるものだ。
(これは多分、「海に落ちる」ことによって何が起きるのか、実感できないためだろう。実際に落ちた経験があれば、不安はなくなるのではないか、という気もする)
自信と不安の繰り返し
はじめはパドルの使い方がよく分からず、試行錯誤した。でも、少し経つと、どのくらいの強さでパドルを動かせばいいのかがつかめてくる。
こうなると、「やれる」という自信みたいなものがムクムク湧いてきて、楽しくなってくる。
ムダに方向転換してみたりと、色々と遊んでみたくなってくる。
※
そうしてブイが浮いている辺りまで進んだのだが、その時、少し大きめの波がやってきた。
カヤックはまたグラグラ揺れて、ひっくり返るんじゃないかとヒヤヒヤした。
「あ、ここは、やっぱり自分のコントロール外の場所なんだ」
そんな不安が再び起きた。
でも、この時は、「大きな波に備えておこう」と、不安に対処しようとする気持ちもすぐに起きた。
不安と、その克服の繰り返し。
ジェットコースターを好きな人が多いことでわかるように、そもそも楽しいものは、不安要素を含んでいる。
そして、それを克服していくことこそが、楽しさの一つの要因なのだろう。
波と呼吸を合わせる
そんな不安と克服の繰り返しの中で、だんだんと気持ちが落ち着いてきた。すると、「波とお友達になって、一緒に呼吸をしてみよう」という気がしてきた。
地球の働きによって生み出される波の動き。
その波と呼吸をあわせると、なんだか、自分も地球の一部になって、地球と一緒にダンスをしているような感覚になるのかもしれない。
そんなことを思ったのだけど、今回はその気持ちが乗り切る前に、終わりになってしまった。
もう少し長い時間乗っていれば、自分が波と一つになったような感覚が味わえたかもしれない。
今度はぜひ、もう少し本格的にやってみたいものである。
なお、今回は仕事の都合で、SUPやSUPヨガに参加できなかったけど、こちらもやってみたいと思っているところだ。
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