六本木の国立新美術館 |
2カ月ぶりの帰京
今週末(6月6日の夜~6月9日の朝まで)、所用で東京に戻ってました。香川に来てから、実に2カ月ぶりのことです。「東京なんて人が住むところじゃない。空気はきれいじゃないし、人は多すぎるし」。
自然が好きな知人が以前、こう言ったことがあります。
ただ、僕は、東京はそれほど嫌いじゃありません。都市にしては緑が多いし、電車の混雑も、ラッシュのピークを外せばそこまでひどくはない。
そもそも、インドの首都デリーのような、空気が汚れていて、どこへ行っても人があふれかえっている町と比べると、東京は“天国”のような場所だと感じます。
ただ、香川での生活と比較して、東京で感じたことも色々ありました。
1、効率性に“憑かれる”?
休日の朝は、久々のドトールで |
8日(土曜)の朝、髪を切ろうと新宿の近くの「QBハウス」に行きました。
しかし、10人以上並んでいたので、けっきょく諦めたのですが、その時、ふと思い出したことがあります。
「香川に引っ越す前、東京近くに住んでいた時は、「QBハウス」で自分の番を待ちながらイライラしていたなあ」と。
東京近郊は交通機関がよく整備されているので、慣れてくると、細かくスケジュールを入れたくなってきます。
「12時にご飯食べて、13時に髪を切って、14時にヨガ教室に行って・・・」
といった感じに。
そして、このように効率的に動ける分、効率的に物事が進まない事態が発生すると、イライラすることが多くありました。
今住んでいるところだと、どこかに行くにも時間がかかることが多くあります(一番近いWifiカフェは、自分の家から5キロ離れている)。
自転車で行くにも疲れるし、車は電車に比べて神経を使うから面倒だなあ。そんな気になって、ある程度、行動範囲が狭まります。
ただ、その分、一つ一つの経験を深く感じやすい側面もあるかも、と思いました。
まあ、香川の生活も、慣れてきて効率的に動けるようになってきたら、やっぱりイライラが募るのかもしれませんが。
2、刺激が多すぎる?
新宿の町並み |
学生時代、地方出身の、ある年上の日本人と話した時のこと。
彼は、「東京に行くと、きれいな女性が多いから、ついキョロキョロしてしまう」と言いました。僕もそれは同感です(笑)。
今回、東京に戻ってみて、美人も、外国人も、奇抜な格好の人も、本当に多く、「やっぱり東京はすごいなあ」と思いました。
なので、はじめはキョロキョロしていたのですが、すぐに道ゆく人に興味がなくなってしまいました。
というのは、人があまりに多くて、しかも皆、他人の顔をして足早に通り過ぎていく。
こうした中で、関心を向け続けているのが疲れてしまったのです。
「あー、こうやって“他人に無関心な都会人”が形成されていくんだなー」。そんなことを思いました。
人に限らず、東京は刺激が多すぎて、感性が逆に鈍感になりやすい点もあるのではないか。
今日、香川に戻ってきて、高松のカフェでブログを書いていたのですが、高松くらいの人の数だと、なんとなく、他にカフェで話している人を見ながら色々想像して、楽しむことができそうな気がしました。
まあ、ただ、「世の中いろんな人がいる」ということは、東京のほうがよく分かるかもしれませんが。
3、「緑が多い」の在り方が違う?
諏訪神社の隣の公園 |
8日は、昼、六本木にある国立新美術館に行きました。それから、成田空港に向かう途中、西日暮里の駅近くの「諏訪神社」をお参りしました。
どちらも、「都会のオアシス」と言える緑の多い場所です。ただ、見ていてふと気づいたことがありました。
というのは、東京で緑地化されている場所は、
・ビルを借景とする
・周りの建物が見えないよう緑で隠す
のどちらかのパターンに当てはまる、ということです。
あちこちに雑多な建物があふれている東京で空間を美しく見せるには、ビルを踏まえた景観づくりをするか、周りを見えないよう覆い隠すか、という選択肢しかないんだな、と思います。
これはこれで悪くはありません。緑の木々と灰色のビルが織りなす景観も見事だし、緑に囲まれた空間も、ランドスケープ・デザイナーたちが非常に繊細に作り上げている。
一方で、先ほど、香川に戻ってきて、広大な空の下、山々の緑が、太陽の光を浴びて輝いているのを見て、気持ちがのびのびしてくるのを感じたのも事実です。
どっちが良いか、というのは好みの問題かと思いますが、「緑が多い」という時の、その在り方自体は大きく違うなあ、と思います。
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土地というのは、人間の心や感性に強く働きかける力を持っている。
そして、だいたいの場所は、良い点もあれば悪い点もあるものです。
自分がどんな場所で生きたいか。あるいは、どんな場作りをしたいか。それらを考える上で、その点をなるべく繊細に見ていきたいなあ、と思いました。
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