花粉症で眠れない夜に:「休まなきゃ」という気持ちを手放す

2019年3月17日日曜日

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ガンジス河に祈る男性


年度末の忙しさと花粉症

年度末、いかがお過ごしでしょうか?

自分は、通常の仕事に加え、引っ越しの準備、知人へのあいさつ回りなどで、予想外に忙しい日が続いています。

忙しいと、夜も興奮状態が続いて、うまく寝付けない。

30代になってから、そうした日も増えています。

さらに、この時期は花粉症も重なります。自分は4〜5年前に発症して以来、毎年、この時期には喉の痛みと鼻づまりに悩まされるようになりました。

副交感神経が高まると花粉症も

人間の内蔵器官の働きを司る自律神経には、体をアクティブにする「交感神経」と、リラックスさせる「副交感神経」があります。


自律神経の基礎知識【交感神経と副交感神経】 (花王ヘルスケアナビ)
https://healthcare.kao.com/main_post/autonomicnerveskiso/

花粉症で、咳が出たり、鼻水が出たりしやすいのは、この副交感神経が高まっている時。つまり、休息時のようです。

そのため、昼間に仕事しているうちはひどくなくても、夜、布団に入って、「やれやれ」と落ち着こうと思うと、とたんに鼻づまりが始まる。

何度も何度も鼻をかんでも、すぐに鼻がつまってしまう。

そして、苦しくって、眠れない時間が続く。


困ったことに、眠れないと、脳のあちこちで思考が駆け巡って、ますます興奮がひどくなることがあります。

それも、創造的な集中力を伴った思考ではなく、とりとめのない妄想ばかり。

「あの人がああ言っていたのは、本当は別の意味があったんじゃないか」

「あれをやり忘れた!後から大変な問題になるかも」

こんな心配ごとだけでなく、

「あれ、マジでちょーウケたなあ」

といった、思い出し笑いもある。


「笑う」というと、楽しそうに聞こえるかもしれませんが、ようは躁(そう)状態なので、身体はますます疲れていきます。

2つ目の矢:「寝なきゃ」という焦りを手放す

先日の夜も、そんな状態が続きました。

翌日にはお客さんとの打ち合わせを控えている。だから、もう休まなきゃ。でも、どうやっても眠れない。


寝る前ヨガ(ヨガ・ニードラ)をやっても、うまく寝付けない。

うまく眠れないことにイライラして、気晴らしにスマホのマンガを読んだりする。

そこまでやれば、通常は寝れるのですが、今回は花粉症。鼻づまりで、うまく興奮を鎮めることができない。

悶々としながら2時間近く過ごした後。ふと、ある逸話を思い出しました。

仏教の開祖、ブッダが生前に行った説法に、「2つ目の矢」という話があります。

これは、


生きていれば問題が起きることは避けられないけど、問題を拡大してしまうかどうかは、私たちの心次第


という教えです。

↓「2つ目の矢」については、こちらもご参照ください。
http://www.sunlotus.org/column/151_160/column151.html


この教えを思い出したときに考えたのは、


「『ちゃんと寝て、体力を回復させなければ』という焦り自体が、自分を苦しめているのではないか」


ということ。

そもそも、20代より新陳代謝が少ない身体。20代と同じ時間、寝なければいけないわけではあるまいし。

それに、明日はもう、疲れたままの身体で、やれるだけやればいいかもしれない・・・。


そこで、起き上がって座禅を組み、呼吸に意識を向けることにしました。

よく観察すると、鼻づまりしていても、鼻が完全に塞がっているわけではない。ごくわずかですが、空気が出入りする隙間がありました。

そこに意識を向け、出入りする空気の流れを観察してみる。

しばらく、そんなことを続けました。次第に、脳内で凝り固まっていたしこりが、和らいでくるような感覚になりました。


ふっと、こんなイメージが浮かびました。


夜の川辺に自分が立っていて、ゆらめく川面を眺めている。


「仕事がうまく行かなかったらどうしよう」という心配。
「あの人に嫌われているかも」という不安。
「仕事で、あれをやりたいな」という期待。
「次のブログはこれを書こう」という未来の計画。


ひとつひとつ、灯籠の中に込めていく。
ひとつひとつ、心をこめて流していく。
とおくとおく、夜の向こうに流れていくのを、夢心地で眺めながら・・・



次第に心が静まってきて、そのまま夢の世界へ引き込まれていきました。

がんばることと手放すことの間

人間というのは、意志的にものごとを行うことと、手放して、流れにおまかせすること。その両方をいったりきたりしながら、生きている存在ではないかと思います。

休めるときは、休んだ方がいい。「休まず働けばいいじゃん」とはならない。

ただ、時に「休まなければ」という意識を手放してみること。

答えはきっと、両方の間にある。

そんなことを思いました。



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