「私ばっかり、いつも損してる!」 報われない気持ちに関する考察

2019年2月24日日曜日

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「私ばっかり、いつも損をしている!」
「がんばっているのに、報われない!」


こんな感情、抱いたことはありますか?

自分は数年前まで、よくこうした感情を覚えることがありました。

特に、深夜に一人で職場に残っている時。

窓の外の闇が濃くなってきて、静まり返ったオフィスに、自分の叩くキーボードの音だけが響く。

「あーあ、皆帰っちゃったのに、なんでオレだけ、こんなにがんばってるんだろ」。そんなため息が出る。

ここ数年、こういった感情はだいぶ薄らいでいるのですが、最近、夜に残業している時に、ふとこのことを思い出したので、改めて考察してみました。

「私ばかり損している」と感じやすい性格

「私ばかり損している」という感情は、ある種の「マジメ」な人間が陥りやすい心理状態ではないかと思います。

「マジメ」の定義は人によって差がありますが、この場合「集団のニーズを慮れる人」といったニュアンス。


「家族を大切にしたい」
「他人に優しくしたい」
「社会に役立つことをしたい」
「会社のためにがんばりたい」


つまり、そんな気持ちが強い人です。

その上で、「私ばかり損をしている」という感情が起きる原因は、2つ考えられると思います。

「私ばかり損をしている」の2つの状況

①集団内での不公平な仕事量

大学生の時、難民支援のボランティアに関わっていたことがあります。

その際、活動をまとめてくれていた女性がいました。彼女はある日、ものすごい怒りながら、

「私だって仕事があるのに、みんな手伝ってくれない!私ばっか大変じゃん!」

と泣き出したことがありました。

NGOなどでありがちですが、熱意ある人ばかりに負担が集中して、その人が燃え尽きてしまう状況。今思い出しても、本当に申し訳なかったと思います。


会社でも、誰のジョブディスクリプションにも含まれない、グレーゾーンの仕事があると思います。

以前働いていた職場で、シュレッダーのゴミが、床に散乱したことがありました。

けれども、皆忙しいから、見て見ぬフリ。

結局、ある人が掃除をはじめ、自分はそれを手伝いましたが、モヤモヤした気持ちが残りました。

仕事をしていたら、「この業務は誰が担当なのか」がはっきりしない作業が発生する。そうした時、ある種の自己犠牲的精神を発揮して積極的に動く人がいる一方で、見て見ぬフリをする人がいる。

(自分もそうなっていることがよくあるので、誰かを責める資格はないのですが)

シュレッダーのゴミはあくまで一例ですが、仕事には、そうした場面が多くある。それで、自己犠牲的精神がある人がどんどん疲弊する。

この場合、個々人の心のありようで解決はしません。

だから、負担を少しでも皆で平等に分かち合う、不平等感を減らすような、組織的な解決を探すしかないと思います。簡単ではないのですが。


②要領の良い人間に対する劣等感

僕もそうなのですが、ある種のマジメな人には、こんな”信仰”が無意識のうちにあると思います。つまり、


「マジメに生きていれば、いつかは報われる」
「いい子にしていたら、きっと神さまが報いてくれる」


(僕も親から、これに類することを子どもの頃から何回か言われました)

でも、現実社会では、マジメに生きることと、物質的・愛情的な面で幸せになれるかは、あまり関係がないと思います。

むしろ、要領の良さの方が大切だったりします。マジメに見える人間は、得てして不器用で、容量の良い人間には敵わない。

要領の良い人間に対する、劣等感と羨望がないまぜになった感覚。

そこに、先ほどの無意識の”信仰”が加わり、「自分はマジメに生きているのに、身勝手なアイツほど報われてない。おかしいじゃないか!」と、誰ともなく怒りをぶちまけたくなる。

この場合の解決方法としては、


「自分の欲望をできるかぎり素直に見つめる」
「その欲望を叶えられるよう、ストレートに努力する」


しかないと思います。劣等感はとりあえず置いておいて。

要領の良い人間のようになれなくても、自分ができる範囲で、少しでも容量のよくなれるように努力してみる。自分の行動や性格を精査してみたりする。そうしたことはできると思います。

まあ、マジメな人間は、「〜すべき」で考える傾向があるので、「何が自分の欲望なのか」を見つめることに関しては、簡単ではないかもしれません。でも、そこからやっていくしかない気がする。

自分の場合、前の職場にいた時、「自分はいったい、何のために仕事をしているのか」を何度も考えることがありました。

それを通して、ある程度の納得がいった。自分のやりたいことの方向性が、多少なりとも見えてきた。

そのおかげで、最近は、深夜残業に対する精神的な苦しみはだいぶ減ったと思います(まあ、今でも嫌なのは嫌ですし、やりたいことのために、残業はできるかぎり減らす努力をしていますが)。

マジメな性格の奥にある不安?

ただ、「マジメに生きる」ことにこだわる人に関しては、


「そうしなければ、自分に価値がなくなってしまう」
「自分の居場所がなくなってしまう」


といった不安があるから、そう振る舞わざるを得ない、という精神的な問題もあるのではないかと思います。

これに関しても、ボチボチ、また考察していければと思います。








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