出張帰りに温泉へ
先週の土曜日、家に帰ってきたのは夜の22時30分だった。出張で金沢に行っていたのだ。その前日の金曜日は、金沢駅そばのホテルに泊り、24時過ぎまで打ち合わせや翌日の準備。土曜日は朝から取材。
18時に帰りの新幹線に乗った後も、東京までの約3時間、駅弁を食べる以外は、ずっとパソコンで作業をしていた。
東京駅に着いた後も、地下鉄の中でパソコンを開いていた。近くにお年寄りが立っているのが目の端に映ったが、自分の中に、席を譲る余裕はなかった。
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僕の家から徒歩約10分の距離に、温泉がある。本物の温泉なのか、銭湯もどきなのかはっきりしないが、値段は銭湯の3倍くらいする。
ケチな性格なので、これまではあまり足を運ぶことはなかったのだが、最近は疲れがひどいため、足繁く通うようになった。
出張帰りのこの日もまた、荷物を家に置くとすぐに温泉に足を向けた。そして、終業時間である24時までの間、疲れた身体を温かいお湯に浸したのだった。
身体が治る過程で発生する苦しみ
「本来なら全治6ヶ月の傷がたったの3時間で治ってしまう。つまり、それだけアイツの身体に負担がかかっているということです」以前、You tubeで特撮番組『仮面ライダークウガ』(2000〜01年放送)のいくつかの回を見たことがある(子どもの時分に仮面ライダーやウルトラマンが好きだったクチなので、You tubeで無料放送されていると、つい見たくなってしまうのだ)。
『仮面ライダークウガ』では、主人公(オダギリジョー)がある種の魔法の力を授かって仮面ライダーとなり、無差別殺人を行う怪人たちと戦うのだが、ある時、強力な敵に深手を負わされ、病院に搬送されてくる。
魔法の力があるので傷は急速に塞がっていくが、その過程で、とてつもない苦しみが発生する。
ベッドで苦しそうに寝ている主人公を見て、彼をいつも支えている若い医師が、知り合いに漏らすのが、この「傷が急速に治るということは、それだけ身体に負担がかかっているということだ」というセリフだ。
(かなり前に見たので、言葉遣いが多少異なっている可能性があることは、ご容赦いただきたい)
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傷が癒えるプロセスというのは、別の側面で身体に大きな負担がかかる。仮面ライダークウガほど大変じゃないけど、温泉に行くと、それを実感することがある。
僕の場合、だいたい、脳が一番疲れていることが多い。そうした状態で湯に浸かると、すぐに脳の血管が詰まったような状態になって、苦しくなる(身体も同様に、全身の血管が詰まっているような状態になる)。
しばらく浸かっていると本当に頭痛になってしまうが、そうなる前にいったん上がる。湯船から上がるときは、だいたい貧血になって、一瞬クラっとする。
そして、身体をある程度冷やした後は、また湯に浸かって、同じプロセスを繰り返す(途中で水をガバガバ飲む)。
この、「クラッとくる」を数回繰り返すうちに、だんだん楽になってくるのだが、最初はいつも大変だ。
正直、あまり疲れているときは、温泉に入っているのが苦しくて仕方なく思えるときがある。でも、休める時間も少ない。だから、一番効率的な回復方法として、とりあえず温泉を使っている。
温泉に行けるときは行く
多分、本当に身体が弱っているときには、温泉には入らないほうがいいんだろうなーと思う。ただ、逆に、温泉に行けるだけの体力があるときは、行ったほうがいい。身体が、そこまで疲れ切ってしまう前に。
そういうことかもしれない。
まあ、こうした体力の問題に限らず、世の中、「のんびり温泉に浸かっている場合じゃないぜ」ということも多いものだ。
ただ、そういう緊急状態が続くと、温泉に行くことができないほど身体が疲れてしまって、結局、後で余計ひどいことになる。
だから、緊急ごとが何かあっても、温泉に行ける限りは行く。
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結局、先週は、温泉に行った翌日の日曜日も疲れがひどく、夕方までマトモに動けなかった。18時頃になって、ようよう布団から這い出して、レンタル中のマンガを隣駅のTsutayaに返却しにいって、その近くのカフェで少し仕事をした。
ただ、とりあえず翌日の月曜日にはもう少しマシになっていて、なんとか仕事をすることもできた。
自分の疲れや気持ちを、騙し騙し乗り越えるしかない時もある。そんな時こそ、少しでも休めるときは、休むことに意識を集中させたほうがいい。
温泉内の平和な空気を思い出しながら、そんなことを思った。
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