コロナウイルスに対応した事業・ビジネスアイデアまとめ

2020年4月2日木曜日

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新型コロナウイルスの影響は長期的に続くことが予想されます。今後、企業や事業者の方が、コロナに対応した事業のアイデアを考える一助になればと思い、コロナがきっかけで始まったユニークな取り組み・事業などをまとめました。

今後も情報を増やしていきたいので、オススメの事例・アイデアをご存知の方はご教示いただければと思います。

なお、シンクタンク(一社)PublicMeetsInnovationが、新型コロナによる危機をイノベーションの機会へ変えるアイデア・提言を募集しています。よいアイデアを思いついた方は、同団体がnoteに投稿した記事から投稿することができますよ。

新型コロナウイルス対応の事業アイデア・取り組み

現状、以下のカテゴリで整理をしています。

・仕事の転換
・デリバリー・テイクアウトサービス関連
・宿泊施設のテレワーク
・オンラインサービスの充実
・コロナ終息後に使えるサービスチケットの提供
・衛生関連の新商品開
・その他

■仕事の転換

従来の仕事がコロナで成り立たなくなる中、「コロナが続く間は、別の仕事で収益を立てよう」というのも1つの策となるかと思います。

アイデア1.縫製マスクによる雇用創造

岡山県井原市では、井原市社会福祉協議会が中心となって、地場の縫製製工場、市内の福祉作業所と連携した縫製マクスの生産販売を始めた。デニムの生産地として培ってきた縫製の技術を生かしつつ、コロナで仕事が無くなっている市内の福祉作業所の仕事づくりにつなげる。

参照URL:
http://ibara.info/shop/?fbclid=IwAR1ZcMlpwe-zIIhSp_vfCUoDCtfgn-kdD2ntYmuDIqgz_Lybsuc0Qfgu6jI


■デリバリー・テイクアウトサービス関連

三密(密閉、密集、密室)にならずに食事を提供できる飲食店のデリバリーやテイクアウトサービスが多く出てきています。テイクアウトに関しては、客からの注文受付の仲介をする「PICKS」のようなWEBサービスもあるので、これから導入を検討されている方はご参照ください。

なお、扱う食品によって、飲食店営業許可とは異なる許可申請が必要になる場合もあります。『Foodist』記事など、そうした点を解説している記事もあるので、参照ください。

アイデア1.テイクアウトできるお店情報サイトの制作

「さぬきの飲食店応援団」が、苦境にある飲食店の支援のため、テイクアウトできるお店情報を掲載したWebサイトを開設。希望するお店は、無料で情報を掲載してもらえる。

参照URL:
https://peraichi.com/landing_pages/view/takeout-kagawa?fbclid=IwAR2IXXnIsjSjaJegOVpvh59zSvCE7--_cg1Qh9BwN8sbaZIzQwrtnQZDoVg

なお、同様の趣旨から、愛媛県では「松山テイクアウト部」という活動が進んでいる。

https://www.facebook.com/groups/569184677024735/

アイデア2.地域と人を繋ぐ おいしいボックス

出張料理人・ソウダルア氏は、『地域と人を繋ぐ おいしいボックス』として、地方のおいしい食材を、東京や大阪といった特に外出するのが難しい都市圏の人たち向けに宅配するプロジェクトを進めている(4月5日時点)

参照URL:
https://www.facebook.com/eat.ruasoda

アイデア3.ヤマト運輸「非対面・印鑑不要」で荷物受け渡し

セールスドライバーと受取人の接触を避けるため、3月にヤマト運輸が導入したサービス。インターホン越しに「ドアの前に置いてください」と伝えるだけで、印鑑・サイン不要で荷物を受け取れるというもの。「荷物をドアの前に置いてください」と指示を受けた場合、それをセールスドライバーが配達票に控えることで証明とするという。

参照URL:
https://www.j-cast.com/trend/2020/04/02383612.html?p=all

アイデア4.ドミノ・ピザやマクドナルドの非接触デリバリー

ドミノ・ピザやマクドナルドが始めたサービス。ドライバーは客のところに到着後、玄関先などの指定場所に空箱を置き、その上に商品置く。それからインターホンなどで到着を知らせる。そして、ドライバーが配達場所から2メートル離れ、客が商品の受け取ったのを確認した後、商品を載せた空箱を回収するといったもの。こうした形で、ドライバーと客の接触を避ける。

参照URL:
https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_5e85348ac5b692780507239d

アイデア5.福家の温泉宅配サービス

青森県平川市で温泉施設「福家」を運営するタグボートは、温泉の宅配サービスを4月1日に開始。一般家庭に、源泉のアルカリ単純泉を配達し、自宅で温泉に入れるようにした。リフレッシュの機会や、記念日などに、誰かにプレゼントする企画としての利用も視野に入れているということ。

参照URL:
https://www.news24.jp/nnn/news87620030.html

■宿泊施設のテレワーク推進

コロナにより、もっとも影響を受けている業界の1つが宿泊業だと思います。ただし、コロナがあるから、まったくサービスできなくなるかというと、そうでもない。テレワークを受け容れたり、あるいは感染者の受け入れ施設への転換などの動きも起きています。

また、「ほしのや」の星野社長は、『トラベルWatch』のインタビュー記事で、地元の人に泊まってもらえる「マイクロツーリズム」や、「三密のない状態づくり」の重要性を指摘しています。これらも今後、重要になるかと思います。

アイデア1.「文豪缶詰プラン」

東京・本郷にある老舗旅館、鳳明館では、「文豪缶詰プラン」というプランを3月から始めた。これは、日本の作家になった気分で、旅館に缶詰になってテレワークできるというもの。なんと、仕事中にスタッフが「原稿の取り立て」に来るといったサービスもしてくれるとか。

同旅館では、石川啄木や北原白秋のほか、手塚治虫なども仕事をしたことがあるそう。彼らの追体験ができそうな、ユニークなアイデア。

参照URL:
https://www.homeikan.com/bungo-2020

アイデア2「疎開宿泊プラン」

旅館によるテレワークのプランとしては、下電ホテルグループが「長期滞在向け「疎開」宿泊プラン」を打ち出している。

こちらは、家族向けの連泊、長期滞在プランで、価格を低く抑えるとともに、朝食に客室で食べられる弁当を用意するなど他人との接触を避けたい人に配慮しているという。

参照URL:
http://shimoden.bonvoyage.co.jp/stayplan/2003_specialplan.php

https://www.kankokeizai.com/%E6%96%B0%E5%9E%8B%E3%82%B3%E3%83%AD%E3%83%8A%E5%AF%BE%E7%AD%96-%E3%80%80%E6%97%85%E9%A4%A8%E3%80%81%E7%8B%AC%E8%87%AA%E3%82%A2%E3%82%A4%E3%83%87%E3%82%A2%E3%81%A7%E6%B4%BB%E8%B7%AF/

■オンラインサービスの充実

リアルのイベントなどの開催が難しい中で、オンラインでの楽しみ方も多様化しています。個人的に、これらのサービスを行う上でのカギとなるのは、You Tubeでの動画配信との差異化をいかに図れるか、ではないかと思います。

「アイデア1」で紹介するAir bnbでのオンライン体験に「オリンピック代表選手のある1日」というプログラムがあります。オリンピック選手がどんなトレーニングをし、食事をしているのか。これ自体は、テレビ番組などでもよく制作されているテーマです。

ただ、双方向(Interactive)であるオンラインイベントは、オリンピック選手と直接話せるかもしれない機会となる。その点にプレミア感を感じました。

こういう点をどれだけ作れるか。双方向性があるオンラインサービスを提供する人たちに問われる気がします。

アイデア1.Air bnbのオンライン体験

民泊サービスサイト「Air bnb」では、コロナを受けトップページに「オンライン体験」を掲載している。 オンラインでの料理教室やヨガ教室のほか、「手品のタネ明かし」「ラテン・グラミー賞候補者によるコンサート」などさまざまなプログラムが上がっている(4月19日現在)。

 個人的に印象的だったのは、「チェルノブイリの犬たちに会おう」。参加費は1人5,527円と、もっとも強気の値付けをしている。チェルノブイリ原発の近くに住んでいる犬たちにエサを与える(どうやるんだろう?)ほか、チェルノブイリの立ち入り禁止地区をオンラインツアーできるというものらしい。普段は入れない場所を垣間見えるということで、この金額もアリかもしれない。

 参照URL: https://www.airbnb.jp/

アイデア2.会席料理デリバリーとVRでの旅館体験 てしま旅館

山口県の「てしま旅館」が実施する、ふぐの会席料理を自宅まで送ると同時に、購入者限定のVR動画で、旅館に泊まった気分が味わえるというプロジェクト。家庭での食べ方が丁寧に説明されており、家でおいしく食べるイメージが湧きやすい。

VR動画は複数種類があるが、「天然温泉に浸かるの巻」には、「※実際にご自宅の湯船に浸かりながらご使用いただくと効果的です。」とあり、どんな内容なのか気になるところ。

参照URL:
https://teshimaryokan.com/vr-fuku/

アイデア3. WhyKumanoの"オンライン宿泊"

熊野にしかない、とっておきの体験を提案することを目指す宿泊施設「WhyKumano」では、「Zoom」と写真共有サービス「Livecanvas」を活用して、「家にいながら旅の気分を味わうことができる」<仮想宿泊体験>を提供する。

参照URL:
https://sotokoto-online.jp/1212

アイデア4.オンライン取材・オンラインイベント

求人サイト「日本仕事百貨」は、これまで対面での取材にこだわった仕事をしてきた。「日本仕事百貨ではこれまで、全国各地のどんな場所であっても、実際に足を運んで取材することを大切にしてきました。現地のリアルな空気感、一緒に働くことになる人たちの雰囲気などを肌で感じ、伝えたいためです。」(同サイトより引用)

しかし、この状況を鑑み、オンラインでの取材・イベント開催を進めるという。

参照URL:
https://shigoto100.com/online_start?fbclid=IwAR3Cp7n5RJPWPdVJLMCcb-bVC7VBDaTia8paFKl_jSSvvY9OX3wrFf-NQHY
同様に、東京とロンドンを拠点にするコンテンツマーケティング・エージェンシー、TAMLOも4月13日週にオンライン取材サービス(HPの表現では「オンライン完結型のリモート編集部」)、「トオク」を始めた。「トオク」のHPには、オンライン取材ならではのメリットが分かりやすく説明されており、参考になりそうだ。 参照URL: https://talk-tamlo.com/

アイデア5.オンライン飲み会

外出自粛で大勢で集まるのが難しい中、今後は「オンライン飲み会」が流行となる可能性がある。こちらに関して、例えば以下の記事にあるようなさまざまなガジェットの市場が拡大する可能性がある。

参照URL:
https://tokusengai.com/_ct/17352159

■コロナ終息後に使えるサービスチケットの提供

アイデア1. 宿泊特化型クラウドファンディング「Tripticket」

北海道を拠点に宿泊サービスを提供するFullcommissionは、支援者から売上を先行して加盟店に支払うという形で、宿泊施設を経済的に支援するクラウドファンディングサービス「Tripticket」を提供する。

参照URL:
https://tentotentoten.com/tripticket/

アイデア2.甑島・FUJIYA HOSTELの宿泊券

FUJIYA HOSTEL(運営:東シナ海の小さな島ブランド株式会社)では、島内での感染拡大を未然に防ぐにあたって、4月3日から、5月17日までを新規予約の受付停止としている(2020年4月3日現在)。その代わり、この状況が回復した後に使える宿泊券を発行している。

参照URL:
https://ysst.base.ec/

■衛生関連の新商品の開発

アイデア1.手袋の技術を活用してマスク・ハンドソックスを開発

日本一の手袋の生産地である香川県の東かがわ市では、江本手袋が、つり革・ドアノブ・エレベーターボタンなどに直接触れるのを避けるのに役立つハンドソックス(タッチレス手袋)を開発。

また、同じく東かがわ市の手袋メーカー、イチーナは、布製マスク「シンクニット 3Dニットマスク」を開発。高分子ナノファイバーでできたインナーシートを入れ、ウイルスを通しにくくしている。

参照URL:
https://www.emoto-tebukuro.jp/blog/handsockskurafan/
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200403-00010010-ksbv-l37

■その他

アイデア1.スターバックス、席を離して三密対応

スターバックスでは、営業時間の短縮といった措置を取るほか、席数を減らし、かつ席の配置を変更し、客の間の距離を保てるようにする。なお、筆者が先日、香川県の高松駅に直結したスターバックスに行った際は、店の端に使わない席が片付けられており、テーブルなどの間もかなり空けられていました。

参照URL:
https://www.starbucks.co.jp/notice/20203428.php

アイデア2.仕切り板の活用

人が接する時のせきなどで出る飛沫(ひまつ)による感染を防ぐため、仕切り板を導入する動きが進んでいる。先鞭をつけたのは、鳥取県庁が段ボールとラップフィルムでつくった仕切りを導入したことだろう。 なお、筆者の近くのスーパーも、4月13日週以降、ラップフィルムを導入している。この動きが今後、あちこちで加速しそうだ。 参照URL: https://www.jiji.com/jc/article?k=2020040200168&g=pol


参考記事

その他、特に参考になりそうな記事のURLを貼ります。

コロナショックで売上が7割減った、とある地方の飲食店がやったこと。〜テイクアウトの売上を伸ばす!編〜

コロナショックで売上が7割減った、とある地方の飲食店がやったこと。〜「飲食体験」を商品に!編〜


パンデミック時代についてどう考えるか

新型コロナウイルスによって、社会・時代がどう変わるか。

さまざまな人が意見を書いている中で、個人的に印象的だった投稿があります。

東北の魅力を発信する飲食店「トレジオン」を経営する吉田慶さんが、4月3日、以下のような文章をFacebookにアップしていました。

『コロナと付き合い続ける世界を考える』 あくまでボクの私見です。 現状、先行きが見えない中いつコロナが終息するのか?これが今経営者を悩ませていることだと思います。医療の観点からすると比較的緩やかな感染者増加なので医療崩壊は防げますが、ピー...
吉田 慶さんの投稿 2020年4月3日金曜日

中でも印象的だったのは、この2箇所。

「医療の観点からすると比較的緩やかな感染者増加なので医療崩壊は防げますが、ピークに達するのも遅いです。そしてピークを過ぎてもコロナが消えるわけではない。つまりしばらく(1年以上)はコロナと付き合わなければならない。」


新型コロナウイルスが、「収束」したとしても、コロナウイルス自体が完全になくなるわけではありません。

また、仮に天然痘のようにコロナウイルスを撲滅できたとしても、今後、第2、第3のコロナウイルスが生まれてくる可能性もある。

そう考えると、今後、われわれは「After コロナ」ではなく、「With コロナ」の時代を生きることになるのではないか。


「リモートワークは推進され、戸惑いもあったけど案外やってみるといけるなと。オンライン飲み会も案外楽しいなと。自炊もめんどいけど楽しい。こういったことは習慣となっていくのでコロナが落ち着いた後も続くと思われます。簡単に言うときっと飲み屋にくる人口が減ります。」

今回の事態を受けて、オンラインビジネスがより発展するだろうと思います。

その際に、リアル空間で行われるビジネスは、再編を迫られる可能性が高い。

われわれが、なんのために、誰のどんなニーズに応えるためにビジネスをするのか。それが、今後ますます深く問われる時代になると思います。

本記事で紹介したアイデアたちは、そんな新しい時代のあり方を考えるヒントも与えてくれるのではないかと思います。


なお、筆者は現在、香川県の田舎に住んでいます。普段は観光関係の仕事に携わっているため、今回のコロナウイルスに関しては、大きな影響を受けています。

ただ、1点良かったことがあるとすれば、オンラインでのZoomミーティングによって、普段はなかなか会えない他の地方に住んでいる人と会えたり、東京にいた頃にお世話になっていたヨガの先生のレッスンをオンラインで受けることができたことが挙げられます。

外出自粛の状態で、経済が冷え込んでいますが、人のニーズ自体はなくなっているわけではない。

この社会の中で、今後、何をしていけばいいのか。

多くの人が大変な状況にあると思いますが、ともに、この苦境を乗り越え、新しい道へ進んでいければと思っています。

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