躁(そう)状態に関する考察

2018年10月14日日曜日

t f B! P L
新宿御苑。「周りのカップルや家族連れたちにも、それぞれの物語があるんだろうな」と思いながら、まったり気分


土曜日の朝

昨日の朝、思いがけず早く目が覚めた。布団の脇に置いたスマホを見ると、まだ5時前。窓ごしに、ほの暗い薄明の空気が伝わってくる。

前晩、床についたのは1時頃だった。脳の奥には、疲れがしこりのように残っている。

でも、起きがけから、脳は激しく回転を始めた。

(今日の午前はメールを各所に返して、仕事関係者に電話。午後は買い物して、ヨガ教室に行って、カフェでパソコン作業をやって、夜は・・・)

一日のスケジュールが、脳内で組み立てられていく。やるべきことへ向けて、心臓の鼓動も早くなる。

土曜の朝から、かくも生産的な状態になっているのは喜ばしいことなのかもしれない。

でも、この脳の興奮状態は、自分に身体に必ずしも良くはないことに、この数年間で気づくようになった。

なので、自分を鎮めるため、起き上がって布団の上で座禅を組んだ。

目を閉じると、昨日の仕事の記憶や、今日の不安が心の中を流れていく。

それが過ぎると、今度は「あれも、これも忘れていたじゃん!」といった、もう少し脳の奥の方に眠っていた不安が、波のように押し寄せてくる。

弾け飛んでいきたいような気分。でも、そんな自分の状態を抑えて、目を閉じ続ける。

1時間ほど経った時、少し緊張が緩んできて、眠気が訪れた。それで、ようやくもう一度、布団に横になった。


躁状態と頭痛

仕事やプライベートの用件で緊張状態がしばらく続く時。脳が興奮した、いわゆる「躁状態」になるのは、多くの人が経験しているのではないかと思う。

躁状態というのは、その時は気分がハイになっている。でも、重度の躁鬱の人の場合、その後で気分がドーンと落ち込んで、死にたいような気持ちになるという。

自分の場合、ハイな状態が続くと、決まって頭痛が起きる。頭痛を無視してさらにがんばろうとすると、後日、頭がマトモに働かない状態になる。

そうなると、プライベートも何もやる気がでなくなるし、仕事にも集中できなくなる。

世の中には、「夢中になって好きなことに取り組んでいると、疲れないし、時間がたつのも忘れる」という人もいると思う。

残念ながら、自分はそうした経験をついぞ味わえたためしがない。

好きなことをやっていたり、好きな友人に会っていたりして楽しい時間を経験していても、それが長時間続くと、徐々に頭痛が始まる。

脳を含む人間の身体には、多くの未知の可能性が潜んでいる。なので、自分もいつかは夢中な状態をもっと楽しめるようになれるのかもしれない。

でも、現段階では、脳溢血になるのが怖いので、とりあえず「細く長く」物事に取り組むよう心掛けている。


躁状態のコントロールの難しさ

もっとも、この躁状態というのは、なかなかコントロールが難しい。というのは、自分の中に「躁状態を抜け出たくない」という気持ちが働くからだ。

そこには2つの理由があるように感じる。


まず、躁状態というのは、一般的に、他人からのウケがいい。

躁状態のときは、仕事もスピーディーに進む。外部向けにエネルギーが出ているので、周囲の人たちや友人たちにも積極的に関わることができる。

なので、「カッコいい」「フレンドリー」な自分をつくりやすい。

(まあ、躁状態になると、攻撃的になる人もいると思うが)


さらに、躁状態では、自分の不安にフタをしやすい。

躁状態になっている時は、物事を取り組むエネルギーに溢れているので、難しいことも「やってやろうじゃん」という気力が起きる。

しかし、躁状態でなくなったら、「今感じているプレッシャーに耐えられず、押しつぶされちゃうんじゃないか」という恐怖心が起こる。

他人との交渉事も、言い返せる自信がなくなるし、山積みのToDoリストも、とてもこなせない気がしてくる。

特に、躁状態から抜け始めた段階が一番、心が不安定になりやすいと思う。

こういう時、自分の場合、動画やネットサーフィンに逃避したくなる。

陰と陽を調和させる

躁状態は生産的な状態でもあるので、一概に悪いわけではない。

ただ、行き過ぎると、自分の生命を蝕む。だから、陽(外向きの力)と陰(内向きの力)を調和させることが必要だろう。

(この辺りのバランスは人によって異なるので、自分にあった塩梅を見つけることが大切だと思う)

で、躁状態を行き過ぎないようにしつつ、上手に付き合うには、多分、まず「カッコ悪い」自分を受け入れることが大切だ。

それから、落ち着いた心で不安や恐怖心に向き合えるようになることもカギだろう。


不安や恐怖心、羞恥心といったものは、頭痛を生む原因である緊張感にもつながっていると思う。

最終的には、自分の直面するさまざまな状況を、リラックスしながら味わえるようになりたい。

改めてそんなことを思いつつ、今回は雑文の筆を置きたい。









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