台湾の夜市で見た、家族の姿

2020年1月4日土曜日

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今、台北のゲストハウスでこのブログを書いている。

最近、あまりに疲れていて、うまく眠れない日が続いている。

日本にいると、どうしても仕事のことを考えてしまって、緊張が抜けない。

そんな状態を強制的にリセットするには、海外に行くのが一番である。そんなわけで、今回は台湾を旅することにした。


台湾は今回が初めてだが、「リラックスしてブラブラできればそれでいいや」くらいなつもりで、ほとんど何の準備もせず来た。

ただ、今日まる1日、台北の近郊を回ってみて、思いもよらない発見があったので、書いておきたい。


台湾の夜市で見つけた家族の姿

写真はイメージです。直接、見かけた家族の写真は撮れなかったので

今晩、台北の夜市を歩いた。

人混みが苦手なので、正直、それほど行きたかったわけではないが、

「台湾に行ったのに、夜市にも行かないなんて!」

なんて言われそうなので、とりあえず様子だけでも見てみようと思ったのである。


案の定、すごい人混みで、すぐ辟易してしまった。

「15分もいれば十分だ。もう帰ろう」。そう思って、人波に揉まれながら、メトロの駅へ歩いていたときである。

ふと、露店のテーブルに座っていた、子どもたちの姿が目に映った。

3〜4歳くらいだろうか。男の子2人と女の子1人が、ちっちゃな手にお箸をもって、ヨチヨチと麺料理を食べている。

彼らを囲むように、両親らしい中年の男女と、さらにその妹だろうか。少し若めの女性が座って、一緒に御飯を食べていた。

ご飯が盛り付けられていたのは、いかにも安モノの、銀色のお椀。

大人たちは、時々お喋りしたり、子どもたちが食べるのを手伝ったりしているけれど、だいたいは、ぼんやりしている。


その家族の姿を目にして、胸をつかれる思いがした。


別に、楽しそうにお喋りしているとか、「いかにも幸せそう」な姿ではないのである。

ちょっと気だるそうな、日常の匂いをたっぷりまとった姿。

「明日の仕事どうしよう」「養育費が高くなるばかりで、嫌だな」

大人たちは、そんなことを考えているかもしれない。


それでも、こうやって一緒に露店に来て、夜市の儚げな光に照らされながら、同じテーブルを囲んでいる。

その姿が、いいようもなく尊く見えた。

うまく表現できないのだけど、なにか、幸せというか、人生の美しさというのは、こういうものなのかもしれない。

そんな気がしたのである。




その暖かさに触れたくて、自分も、ある露店に座って、麺料理を1つ注文した。

「ブー、ブー」。

隣の席では、小さな男の子が、戦車のオモチャを転がして遊んでいた。

その隣では、母らしき女性が、やわらかい目をして、気だるそうにご飯を食べていた。


彼女たちの姿を、食べ終わった後も、しばらく見つめていた。

そうしていると、心の中にたまっていた何かが、洗い流されていくような気がした。


美しい田舎:九份に行く途中の風景


台北の郊外にある九份は、アニメ映画『千と千尋の神隠し』のモデルの1つとなったことで知られるようになった観光地だ。

中山間地の人気観光地ということで、地域おこしの勉強になるかもしれない。

そんな思いから、足を伸ばしてみることにした。


九份へは、台北から鉄道で40分ほどの距離にあるルイファン(瑞芳)駅まで行き、そこでバスに乗り換える。

鉄道に乗っている間、疲れで途中まで居眠りしていたのだが、ふっと目をさますと、周りは緑の山々に囲まれていた。


写真はうまく撮れなかったのだが、山々に囲まれるようにして、建物がところどころに立っている。

山あいからは、川が流れていて、日の光にきらめいている。

別になんの変哲もない、素朴な田舎だ。

でも、緑が青々としていて、電車の窓ごしからも、植物の命の力が伝わってきた。

どの地域にも、美しい田舎というものがあるんだなあ。

そんな気がして、嬉しくなった。


今日はよい天気だったので、九份はものすごく混んでいた。すっかり人酔いして疲れてしまったので、1時間半ほどで早々に退散した。

ただ、帰りのバスに揺られながら、九份に行く途中で見た美しい景色は、心の中に蘇ってきた。

ただ、次は、もっとこの地域ならではの生活とか、そういったものに触れる旅がしてみたいなあ。

そんな気がした。




このほか、自分は旅先に行ったら、だいたい、その土地を守る宗教施設(お寺や教会など)に「ご挨拶」させていただくのを習慣としているが、今回は、台北で有名な龍山寺と行天宮に行った。

特に行天宮では、親切なボランティアの方に、台湾における祈りの作法を丁寧に教えていただいた。

僕が中国語を話せないため、片言の日本語と英語でやり取りしたのだが、なんだか、親切な態度が嬉しかった。

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