マハバリープラムの名物スポット「クリシュナのバターボール」 |
外国旅行の心構え
「万難を排して」という言葉があります。物事に臨む際に、予想される問題を前もって解決しておこうという心構え。慎重派の自分としては、嫌いじゃないです。
ただ、数年前のある日、気付きました。
「『万難を排して』なんて言ってたら、いつまでたっても海外に行けねーじゃねーか!コンチキショー」と。
だいたい、仕事なんて、切りよく終わらないものです。
だから、「海外行きたけりゃ、ちょっと無理しないとね」ということで、色んな方にご迷惑をかけながらですが、このGWは南インドに行ってきました。
外国に行く意味
チェンナイ空港に午前1時に到着した時。暑さでカメラレンズが曇った |
で、南インドにいる間、改めて「少し無理してでも海外に行く意味って、何だろう」と考えてみました。
海外旅行の目的は、
・リラクゼーション・気分転換する
・家族・友人との絆を深める(家族や友人との旅行の場合)
・趣味を極める(遺跡巡りなど)
・見聞を広める
・新たなビジネスチャンスを探す
など、色んな側面があると思います。
で、自分の場合はどうなのか。改めて考えてみると、
「日本の常識は、世界の常識じゃない」
ということを全身で感じたい、という思いが大きいようです。
水道をひねればきれいな水が出るなんて、多くの国ではあり得ない。そんな不便さも含めて。
「日本の常識は、世界の常識じゃない」と知ることで、何が得られるのか。
日本人としての自分の立場を、ほんの少しだけど、客観的に見られるようになるのではないかと思います。
そして、「知らぬ間に築いてた 自分らしさの檻(おり)」(Mr.Children『名もなき詩』より)から、ほんの少し、自由になれるような気がするのです。
そのことによって、自分自身も、周りの人も、少しだけど、生きるのを楽にできるような気がします。
インドの覚書
チェンナイからティルバンナマライへは、ローカルバスで移動 |
今回は約5日間、インド南部に滞在し、チェンナイと、近郊のティルバンナマライ、マハーバリプラムを周りました。
・チェンナイ:インドで6番目に大きい都市。観光資源はあまりありません(笑)。。
・ティルバンナマライ:アルナチャラ山という聖地がある、ヒンドゥー教徒の巡礼地の一つ。外国人はほとんどいません。
・マハバリープラム:世界遺産に登録されている「海岸寺院」があります。ただ、5月は完全にオフシーズンでした。。
自分の記録を兼ねて、印象に残ったことを書き記しておきます。
◆酷暑の南インドでの過ごし方
チェンナイのメトロの駅。メトロはエアコンが効いており、オアシスのようでした |
5月はインドで一番暑い時期です。
チェンナイ周辺も、30〜40度ほどになります。しかも、多くの場所ではエアコンが付いていません。
ただ、屋外にいると、風が涼しくて、意外なほど気持ち良かったです。
ただ、暑いさなかでの過ごし方で、気がついた点をメモっておきたいと思います。
・辛い料理にはご用心
到着1日目の夕方、安ホテル近くのローカル食堂で、南インドのソウルフード「ビリヤニ」(チャーハンみたいな料理)を食べました。
この食堂はエアコンも扇風機もついてませんでした。しかも、このビリヤニってやつが、めちゃめちゃ辛い!
食べている途中、滝のように汗が流れ、意識が朦朧としてきました。「これはヤバイ」と思い、結局、全部食べずに残しました。
それから、とりあえずご飯は無理して全部食べないようにしました。
・冷たいものを飲みすぎない
よく飲んでいたマンゴージュース |
インドでは、冷蔵庫がないお店も多くあります。
なので、水やジュースを常温で飲むことが多いのですが、これは健康には逆によいようで、冷たいものの飲み過ぎによるだるさを避けることができました。
※お腹を壊さないよう、水もジュースもペットボトルのものを買いました。
・適度に運動して汗をかく
2日目、3日目に泊まったティルバンナマライの宿は、エアコンがありませんでした。しかも、夜は39度になりました。
暑いと、全身の筋肉が痛くなり、頭も重たくなってきます(おそらく、体温調節を司る視床下部が疲労しているためと思われる)。
「こんな時こそヨガをやろう!」と思い、1時間ほどヨガをして汗を流し、さらに瞑想をして「頭を使わない」練習をしました。
さらに、ベットで寝るのをやめて、床にヨガマットを敷いて横になりました。
これをやってみると、あんがい良く寝れました。
・昼間はなるべく出歩かない
マハバリープラムの遺跡「ファイブ・ラタ」 |
今回の滞在中は、幸い、曇天が多かったのですが、最終日のマハバリープラムにいた時だけ、昼間、思いっきり晴れました。
この時、11時ごろから世界遺産の「海岸寺院」「ファイブ・ラタ」を見に行ったのですが、道を歩いていると、まるで釜ゆでの刑にあっているような暑さで、昏倒しそうでした。
木陰で何度か休みながら、なんとか見て回ったのですが、世界遺産を見に行ったというより、暑さに耐える訓練をしに行ったような感じでした。
14時くらいにホテルに戻ってきて、扇風機をMAXでかけてベッドに倒れ込んだのですが、「晴れた日の真っ昼間のインドで出歩くもんじゃない」とつくづく感じました。
◆南インド(チェンナイ周辺)とデリーの違い
町の混雑 |
でも、チェンナイ周辺では、オートリクシャーの運転手から「ハロー」と呼びかけられる機会は多いものの、あまり激しい客引きに遭いません。
そもそも、外国人観光客をほとんど見かけないので、観光地としての意識が低いのでは無いかと思います。その分、動きやすいと感じました。
◆英語が通じない!
デリーと比べ、チェンナイ周辺では英語を通じないことが多くありました。しかも、英語が通じても、先方のアクセントがよく解らず、聞き取れないことが多くありました。
ただ、最低限の「Twenty」とか、お金に関わる数字はなんとか通じるので、まあなんとかなってしまうものだ、と感じました。
ただ、タクシーを呼ぼうとホテルスタッフにお願いしても、自分の意図がちゃんと伝わっているのかよく解らず、不安になることも多くありました。
◆インド人のチビっ子たちと
インドに来て楽しいのは、元気なチビっ子をたくさん見かけることです。今回訪れたチェンナイ周辺は、外国人観光客は少ない一方で、バンガロールといった近郊都市からの観光客が多く来ていました。
子連れのファミリーも多かったのですが、そうした子どもたちは、自分を見かけると、近づいてきて「Where are you from?」と尋ねてきます。
「Japanだよ」と答えると、
「ジャパン!わあー」
といった感じで、お父さんのところに駆け戻って「ねえねえ、あそこのお兄さん、日本から来たんだって」といった感じで報告します。
で、お父さんが、「しょうがないなあ」といった感じで子どもをなだめながら、「コンニチハ、でしたっけ」と話しかけてくる。
そんな楽しい場面が何度かありました。
◆街歩きできない空気の悪さ
インドの場合、デリーやチェンナイのような町中は、自動車の排気ガスで、とにかく空気が汚れています。しばらく歩くと、肺の中が、酸っぱさが混じったような気持ち悪さを覚える。
また、歩道もあまり整備されておらず、自動車の交通マナーも悪いので、事故に遭わないよう、慎重に歩かなければなりません。
なので、1キロ歩くのにも、相当の体力を使います。
基本的に、慣れないうちは無理して歩かず、オートリクシャーを使ったほうがいいなああ、と思いました。
◆服装:郷に入れば郷に従え
何度も洗っているうちに、シワシワになってしまいました |
「木の葉を隠すなら森の中へ」
の例え通り、インド人と同じ格好をしている方が、目立たないと思ったからです。
まあ、これを着ても、「兄さん日本人かい?」と話しかけられることはよくありましたが、
「こっちで勉強している留学生かい?あるいは仕事で来ているのかい?」
という尋ね方が多く、「カモりやすい観光客」とは見られづらくなったようなので、これはこれで正解かな、と思いました。
また、なんだかんだで、インドで買う服のほうが、インドの気候によく馴染む感覚もありました。
◆蚊対策
この時期、酷暑もあり蚊はあまり出ないないようですが、それでも日陰などには、蚊がいました。
日本で蚊よけスプレーを買っていくのをすっかり忘れていたのですが、仕方ないので地元の薬局へ行き、「蚊よけスプレーはないか」と聞いてみました。
そこで出てきたのが、この「Odomos」という塗り薬。効果はまあまああるようで、これを使って以降、あまり蚊に刺されませんでした。
なんだか、インドの大変さばかり書いているみたいな感じになってしまいましたが(苦笑)、素敵なこともたくさんありました。後ほど続きを書こうと思います。
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