今日は午前中、家で仕事をしていたが、ちっともはかどらなかった。
最近、仕事で忙しい、というか、うまく整理できない状況が続いており、脳が疲れていたのだ。
「これはアカン」と感じ、思い切って近くにある金刀比羅宮(こんぴらさん)に行くことにした。
『星の巡礼』を読みながら
金刀比羅宮は、伊勢神宮に並んで有名な神社だ。特に御本宮までの785段、本殿から奥社までの583段、合計1368段の長大な石段の存在で知られている。
この石段を歩くあいだに、混乱した思考を少しでも整理できるかも、と感じたのだ。
最近、ブラジルの作家、パウロ・コエーリョの『星の巡礼』という本を読んでいる。
これは、欧州にあるキリスト教の巡礼路、サンチャゴ・デ・コンポステーラへ歩いた作家自身の経験をつづった旅行記。
四国にも、お遍路の文化があるが、この日本独自の巡礼を世界的視座から捉え直す上で、他国との巡礼との比較が有効かも、と思い読み始めたのだ。
ただ、ページが進むうちに、「自分も、どこかを歩いてみたいなあ」という気分になった。
そこで、手近にあったのが金刀比羅宮だった、ということもある。
(ちなみにコエーリョは小説『アルケミスト 夢を旅した少年』が日本でもベストセラーになったので、知っている方も多いかもしれない)
静かな奥社
金刀比羅宮は人気の観光地で、山の麓の方はお店や観光客で賑わっている。ただ、御本宮から奥社への道は、山奥に入っていくので、人影少なく、かつ緑豊かで、歩いていて気持ち良い場所だ。
前述の『星の巡礼』では、「心の声を聞く」ということと同時に、呼吸法の話が出て来る。
自分も、体と頭の中にある悪いものを吐き出すよう、呼吸を意識しながら、一歩一歩進んだ。
シンプルなこと
奥社について、ベンチに座りながら少し休憩した。呼吸が整い、頭がクリアになってくるに従って、ふと、先日、ある神道関係の方から聞いたことが脳裏に浮かんだ。
「自分が今無事に生きていること、友人がいることなどは、全部当たり前じゃない。
そうした”有り難い”ことに気づくきっかけとなることが、神道の本質じゃないか」
さらに、別の占い師から、以前、こんなことも言われた。
「幸せな人生を歩むのに必要なのは、
『すべての出会いは最高のタイミングでやってくる』(あるいは『すべての物事は最高のタイミングで起こる』)という信念と、
『私は思い立ったらすぐに行動します』という決意」
どれも、言葉にするとシンプルだ。
でも、それを自分の全存在かけて生きようとするのは、けっして簡単なことじゃない。
現に、自分も言われたあとで、日常のさまざまなことに追われて、そんなことなどすっかり忘れていた。
真理は、とてもシンプルかもしれない。
でも、それを、ちゃんと血の通った形で生きれるようにするために、僕たちは、時々立ち止まったり、日常から少し離れてみる必要があるのかもしれない。
そんなことを考えながら、呼吸を整え、再び山を下ったのだった。
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