金刀比羅宮の1368段を歩く

2019年9月16日月曜日

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今日は午前中、家で仕事をしていたが、ちっともはかどらなかった。

最近、仕事で忙しい、というか、うまく整理できない状況が続いており、脳が疲れていたのだ。

「これはアカン」と感じ、思い切って近くにある金刀比羅宮(こんぴらさん)に行くことにした。

『星の巡礼』を読みながら

金刀比羅宮は、伊勢神宮に並んで有名な神社だ。

特に御本宮までの785段、本殿から奥社までの583段、合計1368段の長大な石段の存在で知られている。

この石段を歩くあいだに、混乱した思考を少しでも整理できるかも、と感じたのだ。


最近、ブラジルの作家、パウロ・コエーリョの『星の巡礼』という本を読んでいる。

これは、欧州にあるキリスト教の巡礼路、サンチャゴ・デ・コンポステーラへ歩いた作家自身の経験をつづった旅行記。

四国にも、お遍路の文化があるが、この日本独自の巡礼を世界的視座から捉え直す上で、他国との巡礼との比較が有効かも、と思い読み始めたのだ。

ただ、ページが進むうちに、「自分も、どこかを歩いてみたいなあ」という気分になった。

そこで、手近にあったのが金刀比羅宮だった、ということもある。

(ちなみにコエーリョは小説『アルケミスト 夢を旅した少年』が日本でもベストセラーになったので、知っている方も多いかもしれない)

静かな奥社

金刀比羅宮は人気の観光地で、山の麓の方はお店や観光客で賑わっている。

ただ、御本宮から奥社への道は、山奥に入っていくので、人影少なく、かつ緑豊かで、歩いていて気持ち良い場所だ。

前述の『星の巡礼』では、「心の声を聞く」ということと同時に、呼吸法の話が出て来る。

自分も、体と頭の中にある悪いものを吐き出すよう、呼吸を意識しながら、一歩一歩進んだ。

シンプルなこと

奥社について、ベンチに座りながら少し休憩した。

呼吸が整い、頭がクリアになってくるに従って、ふと、先日、ある神道関係の方から聞いたことが脳裏に浮かんだ。

「自分が今無事に生きていること、友人がいることなどは、全部当たり前じゃない。

そうした”有り難い”ことに気づくきっかけとなることが、神道の本質じゃないか」


さらに、別の占い師から、以前、こんなことも言われた。

「幸せな人生を歩むのに必要なのは、

『すべての出会いは最高のタイミングでやってくる』(あるいは『すべての物事は最高のタイミングで起こる』)という信念と、

『私は思い立ったらすぐに行動します』という決意」


どれも、言葉にするとシンプルだ。

でも、それを自分の全存在かけて生きようとするのは、けっして簡単なことじゃない。

現に、自分も言われたあとで、日常のさまざまなことに追われて、そんなことなどすっかり忘れていた。


真理は、とてもシンプルかもしれない。

でも、それを、ちゃんと血の通った形で生きれるようにするために、僕たちは、時々立ち止まったり、日常から少し離れてみる必要があるのかもしれない。

そんなことを考えながら、呼吸を整え、再び山を下ったのだった。

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