小高い丘の上にある、樹齢400年と言われるシイノキ。赤間の鎮守の森にある |
「不思議なほど、気持ちのいい場所だな・・・」
知り合いがFACEBOOKでそば刈りイベントを企画していて、「稲刈りはやったことあるけど、そばは初めて。やってみたい!」と、軽い気持ちで参加したのですが、予想以上に素晴らしく、新しい発見がありました。
名物そばの収穫を体験
新宿から電車で約1時間20分、小田急線で小田原の近くにある新松田駅。今回お世話になったのは、そこから車で10分くらいのところにある農家さんです。
こちらの農家さんは、「ブルーベリーガーデン旭」という、ブルーベリーの摘み取り体験ができる農場を運営されていますが、それ以外にもさまざまな作物を育てており、ちょうど夏そばの収穫の時期に当たることから、今回、お邪魔させて頂きました。
そばの実 |
そば刈りの様子。今回は鎌を使いましたが、広い面積の畑ではコンバインを使います。ただ、そば用のコンバインは生産台数が少なく、かなり高いらしい |
そばも、稲と同じく「はざかけ」して乾かすということを、今回初めて知りました |
この地区では、今回お世話になった方以外の近隣の農家さんも含めて30人程度が集まり、「そうわそばの会」としてそば刈り・そば打ちの体験会などを開催しているとのこと。
(そばは、この地区の名産品の一つです)
今回はそば刈りだけでなく、そば粉をこねて、打って、切って、食べるところまで一連の流れを経験させてもらいました。(もっとも、そば打ちに使ったのは、今回収穫したものではなく、冬そばの粉ですが)
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丁寧に教えてもらったので、何とか形になりました。もっとも、切るのが難しく、エラく太い麺になってしまった・・・ |
豊かな景観
その一方で、強く印象に残ったのは、この地域の景観について。実は、ここに来た時から、「なんだか、懐かしく、とても心地良い場所だな」と感じていたのです。
ブルーベリー農園の近く。丘の上からだと、小田原の街並みから、日によっては富士山まで見えるということ |
そばを食べた後、前述した「ブルーベリーガーデン旭」に連れて行ってもらい、この地区の歴史や、文化についても説明してもらい、その理由が分かった気がしました。
この地区は、4000年前からすでに人が住んでいたらしく、関東でもっとも早く稲作が始まった地域ということです。
そのため、地域には、土偶なども発掘されるらしいのですが、何より素晴らしいのは、多様な植生や、古い文化が残っていること。
地方に旅をして、山などに登る時によく感じるのが、「どこもかしこも、スギ林ばかりだな」ということです。
日本では戦後、木材需要の高まりに応えるため、多くの山で大量のスギが植えられました。
結局、外国産の木材の方が安いということで、間伐などがされなくなり、今は、ひょろひょろのスギばかりが植わっている山も見かけます。これは、スギ花粉症の原因となると同時に、モノトーンの貧しい景観を多くの地域で作りだす原因となったのでは、と個人的に思っています。
丘の上から見る風景。湧水が出るところも複数あるとのこと |
豊かな広葉樹林があるためか、さまざまな昆虫がいるということ。写真はクワガタですが、タマムシなどもいるそう |
また、大規模農家が少ないようで、さまざまな種類の作物が起伏の富んだ土地の中に散在していることも、景観のバラエティーを生んでいるようです。
さらに、この地区の地域活性化の一環として今年4月、『大井町の台地の風景から見える30の、かみさまを巡る』というパンフレットを発行されています(PDFで見れます)が、
「かみさまを巡る」とある通り、この地域には各集落に神社があります。
そこでユニークなのは、シイノキを中心に、神社の要になるようなとても樹齢の古い大木が多く存在するということです。(今回案内してくれた方は、これを「シイノキネットワーク」と呼んでいました)
シイノキの下で。筆者も記念撮影してもらいました |
今回、お参りさせて頂いた神社の一つ |
こちらにも、神社を守る古木がありました |
今回は2か所回るのが精いっぱいだったのですが、樹齢800年を誇るシイノキがある鎮守の森や、『もののけ姫』に出てきそうな「入らずの森」として大切に守られている地域など、さまざまな所があるそうです。
ここに来て、「あ、”豊かな自然”ってこういうことなんだ」と、何だか腑に落ちたような気がしました。
今日はこの地域の魅力の一端に触れただけですが、
また行きたい場所が、一つ増えました。
地元の名産である「フェイジョア」という植物を使ったアイス。シャキシャキした歯ごたえが、なかなかオツでした |
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